継続する技術 コミットメントしてますか?
本当に好きなこと、向いていることなら続けられる?
村上春樹曰く
僕は33歳くらいで走り始め、今でもずっと走っています。意志が強いですねとよく言われますが、べつに意志が強いわけではありません。好きなことをやっているから、長く続けられるんです。
正論だ。まったくもって正論だ。
でもね、長年生きていると分かってくることがあります。
本当に意志の弱い人間は(私のことです)、村上さんのようなアドバイスを受けると、それを言い訳にするんです。
ああ、向いてないから、だから継続できないんだ。悪いのは私じゃないんだ、ってね。勉強にしろ、運動にしろ、仕事にしろ。
そしてすぐに何でも放り出すようになります。いつか「本当に自分に向いているもの」に出会える日を待ちわびて。
でもね、そんな「運命」みたいなもん、普通の人はなかなか出会えないんですよ。その出会いを待っているうちに、何もしないまま歳をとることのほうが多いんじゃないかな。
だからこの際、「運命」なんて待つのはやめて、何かひとつのことに決めて、それをがんばって継続してみようではありませんか。
でもどうやったら継続できるのか、それが問題ですよね。
というわけで今回は、継続する技術の話です。
NHK「テストの花道」から
先日たまたまNHKでやっている「テストの花道」という番組の再放送を見たんですが、ちょうど「勉強が続く! 根気の秘策」というテーマでした。
NHK テストの花道 - 過去の放送 -「勉強が続く! 根気の秘策」
これは勉強に限らず、継続する秘訣を教えてもらえるかもしれない、とリモコンの録画ボタンを押す私。
番組では、根気をつける方法を、4つの秘訣に分けて紹介していました。
秘訣1 ネガティブ思考からの脱出
「つらい」「やりたくない」など否定的な言葉は根気を萎えさせる。
ポジティブな言葉を壁に貼ったり、ポジティブな言葉はネガティブな言葉に置き換えよう。
秘訣2 成功体験を積む
最後までやり遂げる裏付けとなるのが、成功体験。
100%できることをやって、成功体験を積む。(番組では、小学生レベルの簡単な問題を解く方法が紹介されていた)
秘訣3 とことん褒める
自分で自分を褒めたり、友だちと互いに褒め合ったりする。
自分で完結するか、人を巻き込むか
秘訣1と秘訣3は精神論に近いかな。秘訣2は良さそうだ。あえてレベルの低いもので勝ちグセを付ける、みたいなね。
秘訣4の「壁に貼る」や「声に出して読む」というのは、自分自身に宣言してるんでしょうね。宣言して、自分自身にプレッシャーを掛けると。
でも、ここに挙げられているのって、基本的には全部自分一人でできることですよね。自分には甘いのが意志が弱い人間の常。自分一人の力で継続できるかなあ。
人に失敗を知られるのは、恥ずかしい
でも自分一人でできることのほうが、挫折したときに恥をかかなくてすむからいいですよね。
あ、ダメだ、どうやったら継続できるかを話しているのに、もう挫折したときのことを考えちゃってる。
これまでたくさんのことにチャレンジして、ことごとく挫折してきたのだから、もう「恥」なんて気にしている場合じゃない。
人を巻き込もう
あなたが継続しようと決意したこと、それを他人に宣言しましょう。
これを「コミットメント」と呼びます。
たとえば毎日英語の勉強をすると決めたら、それを誰かに宣言します。
そしてもし継続に失敗したらどうするか。あるいは成功したらどうするか。それも合わせて宣言します。
- 失敗したら、宣言した相手に夕飯をごちそうする
- 成功したら、ずっと欲しかった服を買う
こんな具合です。要するに、アメと鞭ですね。
誰に宣言したらいい? アメと鞭はどんな内容がいい?
宣言する相手はどんな人がいいんだろう?
アメと鞭はどんな内容がいい?
そんなとき参考になるのが、以下の本です。
- 作者: イアンエアーズ,Ian Ayres,山形浩生
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/10
- メディア: 単行本
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たとえば鞭は、設定する内容次第では挫折の言い訳になってしまいかねません。
「挫折したら夕飯をごちそうする」が、「夕飯をごちそうすれば挫折しても構わない」に転じてしまうことがあるということです。
数多くの心理学的実験や著者の実体験を参照しながら、どうすれば有効に「コミットメント」できるかが、上記の本には書かれています。
意志の弱い私たちには、アメと鞭がどうしても必要なのかも
最近こんなニュースを目にしました。
多くの拒否反応が起こることが容易に予測できるニュースですね。人参で釣るのではなく、勉強の楽しさを伝えたり、子どもの自主性を引き出すほうに力を入れるべきではないかと。
自発的に勉強に向かうようになればそれに越したことはないのでしょうが、でもある程度の年数を生きてきて思うのは、なかなかそううまくは行かないということ。
ついつい楽な方に流れがちな私たちには、アメと鞭がどうしても必要なのかもしれません。
私の場合は
ちなみに私は、毎日継続したい習慣を、ある私の大好きなものをアメと鞭にして、コミットメントしています。
今のところいい感じで継続できています。
みなさんもどうですか、コミットメント。
こっちも読まなくちゃ
評判の良いこの本、まだ読めてません。
読まなくちゃ。
- 作者: ロイ・バウマイスター,ジョン・ティアニー,渡会圭子
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